動画といえば昔はテレビや映画向けに大手の企業が準備していたものでしたが、近年は駅前や店舗の外などあちこちでモニターを目にする場が広がり、中小企業でも宣伝広告を掲載できる機会が拡大しました。
また「YouTube」「Facebook」「Instagram」など動画を配信するアプリが増えたことで、個人が動画を作成する機会も増えています。
しかし、動画作成は準備や編集に時間がかかりますし、認知度や売り上げの増加につながるクオリティの高い動画を制作するには経験が不可欠です。
本章では動画作成の外注を検討する際に必要となる情報をまとめてご紹介します。
目次
動画作成におすすめの外注先3選とそれぞれへの依頼方法
動画作成におすすめの外注先は「クラウドソーシングサービスのフリーランス動画クリエイター」「プロの動画クリエイター」「動画制作会社」の3つに大別されます。
それぞれの特徴と依頼方法を順番に見ていきましょう。
手頃な予算で大勢の動画クリエイターから選びたいならクラウドソーシングで探すのがおすすめ
手頃な予算で大勢の動画クリエイターから選びたいならクラウドソーシングを利用するのがおすすめです。
なぜなら、クラウドソーシングのサービスにはフリーランスの動画クリエイターが多数登録されているからです。
例えば、「クラウディア」の場合、「プロジェクト形式」で動画作成の仕事の募集をかけてみましょう。
応募してきたワーカーさんたちのポートフォリオを確認して、自分の期待する動画のイメージやクオリティを実現してくれそうなワーカーさんを選ぶことができます。
また、クラウドソーシングを使うことで、予算・納期など自分の提示する条件に対応できる動画クリエイターさんをしぼり込むことができ、自分から1人ずつ相談・確認する手間が省けます。
さらに、もしワーカーさんとトラブルになってしまった場合も、クラウドソーシングの運営会社が仲介してくれるため安心です。
このようにクラウドソーシングを利用することで、大勢の中からポートフォリオを比較して、手間をかけずに安心して動画クリエイターを選ぶことができます。
月間登録会員1,000人以上のクラウドソーシングCraudia(クラウディア)
高いクオリティを求めるならプロの動画クリエイターに外注するのがおすすめ
フリーランスより高いクオリティを求めるなら実績のあるプロの動画クリエイターに外注するのがおすすめです。
また個人で多くの作業工程を担当するため、企業と比べて安価で、臨機応変な変更に対応してもらえるのも特徴です。
ただし、クリエイターと直接交渉となるため、「報酬」「著作権」「アフターサポート」などに関して、契約時には細心の注意を払う必要があります。
SNSやYouTubeに掲載しているポートフォリオを見て気に入ったプロのクリエイターがいたら、DMなど指定されている方法で連絡を取りましょう。
様々なリクエストに対応してもらいたいなら動画制作会社に外注するのがおすすめ
動画のコンテンツ力を左右する様々なリクエストに柔軟に対応してもらいたいなら動画制作会社に外注するのがおすすめです。
コンテンツ力の高い動画を作成するには様々な工数がかかりますが、動画制作会社なら豊富な経験と人的リソースで様々なリクエストをカバーできるからです。
例えば、「撮影からプロに依頼したい」「ナレーションを挿入してほしい」「CGやアニメーションを用いた演出をしてほしい」「英語・中国語の字幕を入れてほしい」といったリクエストを広くカバーしてもらえます。
また、企画から完成後のプロモーションまで全て任せたいという場合にも企業なら豊富な知見が蓄積されており、柔軟に対応してもらえます。
ただし、オプションサービスとして追加費用が発生するので、十分な予算の準備が必要です。
さらに、個人の動画クリエイターに外注する場合と比較してクオリティのばらつきが小さく、全体的に完成度が高いのも特徴です。
依頼する前に複数の企業に相談して相見積もりを取ってから、最適な企業を選んで外注しましょう。
動画作成を外注依頼する際の費用相場は外注先や用途、長さ次第
動画作成を外注する際の費用は、外注先・外注する工程によって5千円から50万円まで変動します。
例えば、YouTubeの動画制作の場合、外注先ごとの一般的な費用相場は下記のようになります。
- 個人に依頼する場合:5千円〜10万円
- 企業に依頼する場合:2万円〜50万円
なお、企業の場合「1ヶ月5万円で○本の動画まで編集します」と複数動画の一括制作サービスを提供するケースも多いので、動画1本あたりの編集費用は数千円に抑えられます。
ただし費用の安さを売りにしている企業と、クオリティの高さを売りにしている企業があるので注意が必要です。
また動画作成のうちどこまでの工程を外注するかに応じても費用が変動します。
YouTubeの動画制作で例を挙げると、下記のように依頼する工程が増えるほど費用が増えます。
- 動画の編集だけの場合:5千〜5万円
- 企画・編集・ブランディングを含める場合:5万〜10万円
- 企画から動画公開後の分析評価まで行う場合:30万〜50万円
自分の希望する外注先・外注工程に合った予算を用意しましょう。
動画作成を外注依頼する際のコツ
動画作成を外注する上で重要なことは大きく3つ挙げられます。
- 「目的」「ターゲット」「予算」を明確にする
- 複数の動画クリエイター、企業とやり取りして相見積もりを取る
- 過去の実績を確認する
順番にご紹介します。
「目的」「ターゲット」「予算」を明確にしよう
まずは、「動画を作る目的」「動画のターゲット」「予算」を明確にしましょう。
なぜなら、外注依頼する上で「目的」「ターゲット」「予算」の3つが動画の内容を大きく左右するからです。
例えば、以下のように具体的な方針・予算を決めることで、動画の大枠が定まりますし、外注先を絞り込むことができます。
- 目的:男性向け美容サービスの認知度の向上…サービスの名称や効果を効果的に伝える
- ターゲット:20代以下の若者…若者にリーチできるSNSやYouTube広告として投稿する
- 予算:5万円以内…個人や中小企業に外注する
また、自分の期待する動画に近い参考動画をあらかじめ用意しておくことも大切です。
参考動画を見せることで、制作する動画クリエイターとのやり取りがスムーズになります。
納得のいく動画を納品してもらうため、どのような動画を作成したいのかを明確にして、依頼先に分かりやすく伝えるようにしましょう。
複数の動画クリエイター・企業とやり取りして相見積もりを取ろう
1人のクリエイター、1社の企業に決め打ちで依頼するのではなく、複数とやり取りして相見積もりをとりましょう。
なぜなら、動画作成において重視する点が企業やクリエイターによって様々だからです。
例えば、低価格重視の企業と高クオリティ重視の企業がありますが、費用を安く済ませたいのに高クオリティ重視の企業ばかりとやり取りしていては納得のいく価格になりません。
なお、予算や依頼内容をもとに複数社の相見積もりを一括で取ってくれるサービスもあります。
自分の希望する動画の予算や内容が固まったら一括で見積もりを依頼するのもおすすめです。
過去の実績を確認しよう
外注先を決定する前に、クリエイター・企業の過去の実績を確認しましょう
なぜなら、クリエイターや企業に応じて得意とするコンテンツや作風が異なるからです。
例えば、アプリに掲載する動画の制作が得意な企業や、街頭広告の制作が得意な企業があります。
ポートフォリオを調べることで、自分の作りたい動画の内容と企業の強みが合致しているかどうかなどを確認することができます。
また、どのような実績があるのかを確認して自分の期待する動画に近いものがあれば、それを参考動画と指定することで話し合いをスムーズに進めやすくなります。
ポートフォリオ内の実績をしっかり確認して、外注するクリエイター・企業を吟味しましょう。
動画作成を外注依頼するメリット
動画作成を外注依頼することで、「動画作成の目的に直結したコンテンツを制作してもらえる」「動画作成後のサポートにも対応してもらえる」「学習コスト・作業時間を削減できる」といったメリットがあります。
順番に詳しくご紹介します。
動画作成の目的に直結したコンテンツを制作してもらえる
外注する一番のメリットは、動画作成の目的に直結したコンテンツを制作してもらえることです。
なぜなら、経験のあるクリエイターは単にクオリティの高い動画を作れるのはもちろん、動画を見た視聴者の行動を促すノウハウに精通しているからです。
例えば、動画の目的が商品の売り上げアップなら、
- 商品のターゲットに対してどのようなテイストの動画が刺さるか
- どういったキーワード、演出がターゲットの集客、購買につながるか
といったノウハウを踏まえて動画を作成してもらえます。
外注することで、動画に求めていた目的を叶えてくれる理想的なコンテンツを作成することができます。
コンサルティングや動画作成後のサポートにも対応してもらえる
外注先のサービスによっては、コンサルティングや動画作成後のサポートにも対応してもらえます。
なぜなら、たとえハイクオリティな動画が完成しても、再生回数が少なかったり本来期待していた効果が得られなかったりすれば動画作成の目的を達成したとは言えないからです。
例えば、企業やクリエイターによってはYouTubeのチャンネル作成やSEO対策、投稿後の効果の検証までやってくれる場合があります。
経験のある企業・クリエイターにコンサルティングやアフターサポートまで任せることで、動画の企画時に期待していた当初の目的を達成しやすくなりますね。
学習コスト・作業時間を削減できる
外注することによって、大幅な作業時間を削減することができます。
自分で動画を作成すると「動画制作ソフトの使い方の学習」「動画に使う音楽・背景素材などの準備」「編集作業」など様々なところに時間がかかるためです。
例えば、10秒程度のYouTube用オープニング動画・エンディング動画を作成するだけでも、通常3日〜1週間の納期がかかります。
また初心者が動画作成を行う場合は「字幕を入れてフォントを調整する」「BGMのタイミングを合わせる」などの基本的な工程でも時間がかかります。
実際に筆者が初めて動画作成を行った際はたった3分間の動画を作成するだけでも丸4日を要しました。
動画作成を外注して作業時間を削減すれば、空いた時間を別のことに有効活用できます。
動画作成を外注依頼するデメリット
動画作成の外注依頼には費用がかかる、ノウハウが蓄積されないといったデメリットもあります。
一定の費用がかかる
前述した通りですが、動画の制作には数千円〜数十万円の費用がかかります。
なぜなら、数秒間の動画を作り上げるだけでもノウハウを持った動画クリエイターの工数がかかるからです。
また、依頼の過程でプランを変更したり納品後の修正回数がかさんだりすることによって、見積時に提示された予算より多くなる場合もあります。
想定していた予算を超えないためにも、事前の準備や外注先の吟味はしっかりと行いましょう。
社内のクリエイターや担当者に動画作成のノウハウが蓄積されない
外注することによって、社内のクリエイターや担当者に動画作成のノウハウが蓄積されないというデメリットもあります。
なぜなら、動画作成スキルは編集ソフト上で実際に手を動かすことによって身につくもので、完成後の動画を見ても動画編集ができるようにはならないからです。
長期的に何度も動画の作成が必要な場合は、社内のクリエイターや担当者が簡単な動画作成から練習して経験を積むことも必要になるでしょう。
まとめ
動画を使ったコンテンツは今後もますます増えていくことが期待されています。
編集ソフトの普及した現代では1から動画を自作することもできますが、経験の豊富なプロに任せることによって、見る人の心に訴えかけ、文章のみの場合よりもわかりやすいコンテンツを作ることができます。
自分の目的に合った外注先を見つけて納得のいく動画コンテンツを入手するために、この記事がお役に立てれば幸いです。